西予市の原始古代と古代ロマンの里構想

更新日:2018年03月31日

西予市の原始古代と古代ロマンの里構想

1 西予市の原始古代の遺跡について

西予市の縄文時代

西予市を含めた愛媛県南予地域は山海に富んだ地形で、縄文時代の遺跡や中世の山城が豊富な地域です。西予市では、縄文時代草創期の微隆起線文(びりゅうきせんもん)土器などが出土した穴神洞(あながみどう)遺跡(県史跡・城川町)や、宇和西園寺氏の居城松葉城、黒瀬城などが有名です。

縄文時代は、狩猟採集の時代といわれており、中津川洞窟遺跡(市史跡城川町)やタカシロ岩遺跡(野村町)などでは石器(石鏃等)を製作していたと見られています。石鏃といえば、市内の複数の遺跡から「赤石」と呼ばれる赤色珪質岩を使った石鏃が、縄文だけでなく弥生時代の遺跡からも出土します。三瓶地区からは、大分県姫島産の黒曜石でつくられた石鏃が出土するなど海岸部の特徴を示す縄文遺跡も見られます。  

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隆起線文土器(穴神洞遺跡)

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黒曜石製の石鏃(三瓶町)

西予市の弥生時代

宇和盆地は、古くから米所として知られていますが、その原点は今から約2400年前の弥生時代の初め頃にさかのぼります。永長(ながおさ)遺跡からは、弥生時代前期の板付式の土器が出土し、また大陸系磨製(ませい)石器も出土することから、遅くともこの頃には宇和盆地に稲作が伝わっていたと考えられます。

弥生時代中期の田苗中市遺跡や山田細狩(ほそかり)遺跡から出土した土器は、口縁部(こうえんぶ)(土器の口)がゆるやかに広がり、その 外面に粘土帯を貼り付け、工具などで刻んで文様を付ける独特の形態をしています。これらは愛媛県南予地域や高知県を中心に出土することから、「西南四国型土器」と呼ばれており、この地方独特の土器文化が開花したことがわかります。その一方で、瀬戸内系の凹線文(おうせんもん)土器や九州系の壷なども出土していますから、こうした地域との交流も行っていたことが伺えます。  

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板付系小形壺(金毘羅山遺跡)

弥生時代前期

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西南四国型甕(田苗真土中市遺跡)

弥生時代中期

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ナスビ形鍬(坪栗遺跡)

弥生時代後期後半

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異体字銘帯鏡(坪栗遺跡)

弥生時代後期後半

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平形銅剣(清沢)

弥生時代後期

西予市の古墳時代

古墳時代には、各期を通じて首長墓が連綿と築かれます。西南四国最古(3世紀末~4世紀前半)の前方後円墳である笠置峠(かさぎとうげ)古墳(岩木)は、上から見るとしゃもじのような独特の形をした古墳で、標高410mを越える高所に築かれており、宇和盆地や宇和海、九州を展望することができます。平成20年に整備され、常時公開されています。

古くから南予最大の前方後円墳といわれている小森(こもり)古墳(市史跡、山田、見学可)は、未発掘のため詳細が不明で、戦後畑地として開墾されたため墳丘が大きく改変されています。これまでに採集された資料から、笠置峠古墳に後続する時期の古墳であると考えられています。  

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笠置峠古墳

古墳時代初頭

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小森古墳

古墳時代前期

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岩木赤坂遺跡

古墳時代中期

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河内奥ナルタキ古墳群

古墳時代後期

西予市の古代

東大谷(ひがしおおたに)古墳(市史跡、岩木)は、南予で初めての方墳であることが発掘調査で確認されました。伊勢山大塚古墳(下松葉)や河内谷遺跡(岩木)からは、陶質(とうしつ)土器と呼ばれる朝鮮半島系の土器が出土しています。

古代日本では、律令制をもとにした国家が成立し、各地に国郡里などの行政単位が置かれていきます西ノ前遺跡(岩木)からは数多くの瓦が採集されており、その時期は7世紀第4四半期から10世紀に及ぶといわれています。これまでに緑釉(りょくゆう)陶器片や畿内系土師器片などが出土していますが、現在のところ建物跡などは見つかっておらず今後の調査が待たれます。  

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東大谷古墳

古代か?

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瓦類(西ノ前遺跡)

奈良~平安時代

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掘立柱建物跡(国木遺跡)

奈良時代

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蕨手刀(明石)

奈良時代以前

2 古代ロマンの里構想

宇和盆地を中心に展開する各時代の遺跡は、西予市の歴史を語る貴重な文化遺産であることはいうまでもありません。また当市に残る豊かな自然も西予市を語る上で欠かすことのできないものです。こうした他に真似のできない西予市の歴史や文化、自然をまちづくりに活かそうと策定されたのが古代ロマンの里構想です。   構想の趣旨をひと言で述べるならば、「お年寄りも若者も、男性も女性も、元気な人も少し元気をなくした人も誰もがみんな生の歴史遺産に触れ、文化に接し、自然に浸ることによって愉しい、安らぎの、憩いの、心地よい空間を得ることができる場を創出しよう」(下條信行2001「宇和町古代ロマンの里構想の提言」『古代ロマンの里創世記』)というものです。生の歴史遺産や文化とは、遺跡や地域の文化遺産のことで、自然は本来そこにあった里地里山環境のことをいいます。この構想では、遺跡単体を調査整備する「点」に留まらず、遺跡の周辺を里山化し、こうした快適な環境に遺跡を置き、遺跡と遺跡をつなぐ道を含めて整備することでより広範な「面」として地域づくり里づくりをしていこう、それによって地域のことをより深く理解してもらおうという狙いがあります。

現在、拠点となる遺跡の調査、公有地化、整備をはじめ、地元住民の手により里山づくり、歴史遺産の掘り起こし、街道の整備などが進められています。また葺石(ふきいし)体験などの遺跡を活かした活動も行われています。少しずつですが確実に、遺跡を核とした快適で心地よい空間が創出されています。    

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笠置文化保存会の活動(山野草の名札づくり)

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笠置峠古墳での葺石体験

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スポーツ・文化課
愛媛県西予市宇和町卯之町三丁目434番地1
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