【報告】市立病院、つくし苑の経営改革・公立病院医療提供体制確保支援事業の行政報告

更新日:2023年05月10日

4月28日(金曜日)に行われた令和5年第2回臨時会において、市長が公立病院医療提供体制確保支援事業の行政報告を行いました。


西予市民病院、野村病院及びつくし苑の経営改革実現のための、総務省が進める「公立病院医療提供体制確保支援事業」について、行政報告を申し上げます。

本事業につきましては、既に広報等でお知らせしておりますとおり、去る3月31日に総務省から事業の支援対象の決定通知をいただきました。

これを受けまして、本日(4月28日)、関係する補正予算を上程し、補正予算成立後は、支援事業者である公益社団法人地域医療振興協会と協議しながら、当市における地域医療福祉の在り方、施設の運営及び経営について、調査・分析を行い、経営改革に取り組みたいと考えております。

今回の事業申請については、一部市民の方々が反対の立場で組織を立ち上げられ、本事業及び市行政に対し、ビラの配布などを通して、さまざまな批判をされていますが、一部、誤解や思い込みもあるように感じております。

今回、この機会を得まして、申請に至る背景について申し上げ、市民の皆さまのご理解をいただきたいと思います。

まず、申し上げておかなければならないことは、今回の事業申請は、市民病院、野村病院及びつくし苑の3施設を存続させ、将来にわたり地域医療福祉を守る方法を検討するために行ったものであることを、ご理解いただきたいと思います。

また、指定管理に移行することを、施設を民間移譲するかのように捉えられている方もいらっしゃるようですが、指定管理者制度とは、市の公共施設としての位置づけは変わることなく、民間事業者や法人等にその経営ノウハウを活かして効率的に施設の運営や経営を行わせるもので、市の条例や規則の範囲の中で、市の一定の管理の下で運営する制度です。

市が責任を放棄して、丸投げをするものでは決してありませんので、その点についてもご理解をお願いします。

私は市民の皆様が、地域で安心して生活を続けていくためには、「身近なところで医療を受けられる環境」、「教育を受けられる環境」、「生活するための収入が得られる場所や仕事があること」の3つが重要と考えております。

中でも、医療の安心が最も重要であると考えています。

手術や入院が必要となるような救急医療が、いつまでも受けられる体制を市内で維持・確保できているということは、地域に暮らし続ける上で、大きな安心につながっていると思います。

しかしながら、医師、看護師等の医療従事者の確保が一段と厳しさを増し、人口減少が急速に進む現状では、市民病院と野村病院がそれぞれに二次救急の機能を維持することは困難となってきました。

さらに、来年度からの医師の働き方改革が始まりますが、これに伴い時間外労働時間の上限規制が設けられることから、ますます医師の配置、確保が難しくなってきます。

こうした状況を踏まえ、市では、市民病院への二次救急の集約を目指し、市民病院及び野村病院と協議を行い、人材の確保に努めながら限られた医療資源で体制を整えようと進めておりましたが、本年4月からの集約についも再延期をすることになりました。

その理由としては、私の力不足も含め、先ほど申し上げたように、年々、医師、看護師などの医療従事者の確保が困難になっていることが挙げられますが、二次救急集約の協議を進める中で、両病院の連携による運営体制の構築ができなかったことも要因の一つではないかと感じたところです。

また、当市が厳しい財政状況にあることは、これまでも申し上げてきたところですが、当市では医療介護施設に対して、近年は3施設の合計で年間およそ10億円繰り出すようになっており、そのうちおよそ3億円は地方交付税で措置されない純粋な一般財源であり、この傾向は年々増加しております。

このままの経営であれば、医業収入が伸び悩む一方で、費用は増大し、経常的な大幅赤字が続く可能性が高く、将来的にも一般財源で対応しなければならない繰出金もさらに増加する見込みとなっております。

企業会計は独立採算が原則でありますが、地域医療福祉を維持するためには、一定程度の負担が生じることはやむを得ませんし、現状程度の一般財源の繰り出しの範囲であれば、問題とする必要はないと考えています。

しかし、今後さらにその額が増えるようになると、他の行政サービスへの影響も懸念されることになります。

年々、深刻化するこの問題を解決するためには、3施設の経営の一本化を含む改革と医師等の人材確保が必要です。

これが実現できなければ、将来的に両病院・つくし苑を維持することができないと思い、その対策に取り組んでいる中で、今回の支援事業に触れる機会がありました。

この事業で支援いただく地域医療振興協会は、昭和61年に自治医科大学出身の医師を中心に設立された法人で、「いついかなる時でも医療を受けられる安心を、すべての地域の方々にお届けしたい」という信念のもと、病院、診療所及び介護老人保健施設など、全国で83施設を運営されており、そのうちの66施設は自治体からの指定管理を受けられたものです。

また、経営的にも年間の医業売上で1500億円を超え、純利益でも180億円を超えるという、国内でも上位トップ10に入る、有数の医療法人です。

そうした、へき地医療や指定管理による施設運営の実績も多くあることも踏まえ、熟慮した結果、地域医療振興協会であれば、経営改善の助言や経営面の支援をいただけると確信し、申請に至ったものであります。

これまで、職員説明会を各施設で2回、住民説明会を旧町ごとに1回の計11回の説明会を開催し、各施設の現状や今後の見通し、申請の経緯等について説明いたしました。

それぞれの会場で、申請の説明が突然であったことや、民営化に対する不安、職員の処遇に関して厳しいご意見等をいただきました。

これらにつきましては、反省すべき点は深く反省するとともに、丁寧な説明に努めたいと考えています。

また、職員の処遇の問題は重要であり、不安を感じていることも十分に理解しております。

その不安を解消できるよう、職員の意見を聞きながら、処遇条件の配慮について最大限の努力をいたします。

それと同時に、市民の皆様や関係する職員の方々におかれましても、当市の医療福祉を取り巻く環境の中で、これからの市民病院、野村病院、つくし苑がどのように機能分担し、それぞれの役割を果たしていくべきか、それらが連携して効率的に運営するためには、どのような経営形態が最も望ましいのか、考えていただきたいと思います。

3施設の連携の在り方及び経営改革については、副市長を筆頭に、各施設の幹部及び各部門の代表者で構成する合同の検討組織を立ち上げ、事業の進捗状況の共有をしながら改革に向けた検討を行い、事業に対する意見や独自の提言もいただくよう考えています。

これまでにも説明させていただいておりますように、今後、協会と事業に係る協定を締結しますが、これをもって指定管理者制度の導入が決定するものではありません。

今後、経営改革支援に係る実施計画の作成を進める、その過程において、市民の声、現場の声を聞きながら、協会と経営形態等に関する協議を重ね、最短で令和6年3月を目途に、指定管理者制度へ移行するのか、しないのかを判断し、最終的に議会の判断を仰ぎたいと考えております。

今は何とかなっていても、そう遠くない将来のことを考えれば、病院等の経営改革は避けては通れません。

その手法はさまざまありますが、私は現時点において、安定的な病院施設等の経営を実現させ、将来にわたり地域医療福祉を守るためには、地域医療振興協会による指定管理が最善と考えています。

医師の確保について、ご心配の声も上がっておりますが、この点につきましては、これまでと同様に、私自らが県及び大学等に対し派遣のお願いをしていく所在であり、協会が指定管理者となれば、共に足を運び、派遣を得られるよう協力し、全力で取り組む考えであります。

最も大きな問題、解決すべき課題は、二次救急を含め、市民の安全と安心な生活を守るため、地域医療福祉をどのように守っていけばいいのかということです。

今後も、市民の皆様や職員への丁寧な説明、意見交換を重ね、西予市の地域医療福祉の維持確保のための最善の方法を導き出したいと考えております。

議員各位におかれましても、ご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、行政報告とさせていただきます。

この記事に関するお問い合わせ先

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電話:0894-62-6424 
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