【報告】企画展「牧野富太郎のまなざし―愛媛・高知の地質と植物―」開催報告

更新日:2024年08月13日

企画展における八木繫一先生と野村義弘先生の展示

企画展における八木繫一先生と野村義弘先生の展示

四国西予ジオミュージアムで9月30日(月曜日)まで開催中の令和6年度夏期企画展「牧野富太郎のまなざし―愛媛・高知の地質と植物―」は、ご覧いただけましたでしょうか。企画展では牧野博士が親しんだ高知県佐川・横倉山の岩石や化石、牧野博士や牧野博士の先生たちが発見・命名した愛媛や高知の植物を展示しました。

牧野博士が現在の西予市の市域へ訪れた記録は見つかっていませんが、今回の展示では牧野博士と交流のあった県内出身の八木繫一先生と野村義弘先生を紹介しています。お二人はまた、西予とも所縁のある方々です。

八木繫一先生と野村義弘先生

八木繫一先生は野間郡波方村樋口(現:今治市波方町樋口)生まれで、県内の尋常小学校の教員を勤めた後に愛媛県師範学校の先生となります。学生の頃から植物の研究を始め、1938(昭和13)年に海藻のオキチモズクを発見し、後に命名したことで有名です。愛媛県内の植物分類学の基礎を築いたと言われています。晩年には愛媛県立博物館の設立にも尽力されました。四国カルスト・大野ヶ原には植物採集でしばしば訪れていて、1970(昭和45)年には大野ヶ原小学校へ講師として招かれ植物観察会を実施されています。

野村義弘先生は西宇和郡三瓶村(現:西予市三瓶町)出身です。県内の高校や農業学校などで教員を勤める傍ら、佐田岬半島周辺の植物研究にいそしみ、クロキヅタという希少な海藻を伊方町で発見されるなどの功績を残しました。「野村螺岳泉(らがくせん)」という俳号で俳句にも打ち込み、句集や句碑が残っています。

今回、八木先生が採取されたオキチモズクと野村先生が採取されたクロキヅタの押葉標本を愛媛県総合科学博物館からお借りすることができました。お二人の先生の標本が一同に展示されることは滅多にない機会ですので、是非ご覧ください。

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