伊予生糸

更新日:2019年01月23日

(写真)伊予生糸

伊予生糸とは

四国山系をその源とする水を使い、愛媛県産の繭を多条繰糸機を用いて低速で繰糸した生糸であり、他の産地の一般的な生糸と比べ、白い椿のような気品のある光沢があり、嵩高でふんわりと柔らかい風合いを有します。

織物業者間でも、伊予生糸は着物などに求められるシャリやコシ、ハリ、膨らみなど一般に風合いといわれる柔らかさと暖かさがあり、着物では着崩れしにくく、帯なら締り具合が良いなど、別格として高く評価されています。

西予市蚕糸業の歴史

西予市の養蚕は明治初期に始まり、四国山脈から流れ出る河川周辺に桑園に適した肥沃な土地が数多くあり、加えて中山間地域の傾斜地でも桑園が拡大できたことで、良質な収益性の高い養蚕は急速に普及しました。

恵まれた風土の中で飼育された繭と高度な製糸技術から生産された生糸は「カメリア」(白椿)の商標で取引され、殖産興業の動きとともに興隆し、その品質から皇室や現英国エリザベス女王の戴冠式、伊勢神宮式年遷宮等の御料糸として納められています。

地理的表示保護制度(GI制度)

地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)が平成27年6月に施行されました。

この制度は、長年培われた特別な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質と評価を獲得するに至った地域産品の名称を知的財産として国が保護し、1次産品や加工品を含め、地域産品のブランド化への一助となる制度です。

 

伊予生糸は、平成28年2月2日に農林水産大臣登録10号として登録されました。

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