江戸時代に作られた五つ鹿の頭

更新日:2024年02月08日

明浜歴史民俗資料館の一角に、牛鬼の頭、相撲練りの衣裳、俵津文楽の人形や衣裳などを展示して、明浜のまつりや芸能を紹介しています。宇和海に面する明浜では、高山賀茂神社宵宮の潮垢離や渡江の竹網など、海にまつわるまつりや芸能があるのが特徴のひとつです。

さて、展示のなかで特に華やかさを放っているのは、狩浜の五つ鹿の頭(かしら)や衣裳です。優しく愛くるしい顔と、雄鹿の立派な角、赤(朱色)・黄・白の色鮮やかな前垂れなどが特徴です。明浜歴史民俗資料館では、順路を指し示す表示にこの五つ鹿の顔を使っていて、館のマスコットキャラクターとして活用させてもらっています。

実はこの五つ鹿の頭は、江戸時代、安政元年(1854)以前に作られたものといわれ、宇和島裡町森田屋磯右衛門源吉晶の銘があります。磯右衛門の作品は南予に4件現存しているとされますが、170年ほど前に作られたものが今も現役で使われている例は、ほかにないのではないでしょうか。少しずつ修理を経て大事にされ、しかも現役で使われている五つ鹿の頭。資料館で間近にじっくり眺めるもよし。五つ鹿が資料館を留守にしていたら、秋祭りで実際に動く姿を確かめるもよし。ぜひ多くの方に見ていただきたい文化財のひとつです。

明浜歴史民俗資料館に展示されている狩浜の五つ鹿の頭(写真下)

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