人々をつなぐうみの祭り
宇和島藩領と吉田藩領では、仙台伊達藩の影響を受けた鹿踊りに加え、牛鬼やみこしなどが練り歩く祭りが特徴的です。西予市の海岸部では、御旅所や街頭で激しく回転したり、見物客を追い回したり、四つ太鼓とぶつかりあう荒ぶる牛鬼が祭りの花形として知られます。
明浜町高山賀茂神社の宵宮では、牛鬼やみこしのかき手たちなどが、ふんどし一つで何度も海に飛び込み身を清める潮垢離が良く知られています。明浜町狩浜春日神社の牛鬼やみこし、五つ鹿、巫女などの練りは、浜からシラス漁や真珠養殖の家々の船に乗って海上を渡ります(海上渡御)。また、鰯網になぞらえ大漁旗などで飾りつけした渡江の竹網、お船練りなども海や漁業にまつわるもので、海沿いならではの民俗文化財です。市域では三瓶のみに見られる唐獅子は、西宇和や宇和島に繋がっています。
このほか、漁業の神としても信仰された宇和島和霊神社の大祭は、秋祭りに次ぐ楽しみであり、かつては漁船に屋形を設け大漁旗を立てるなど飾り立てて宇和島に向かいました。
過疎化が進むなか、地域のまつりや行事の存続は危機に立たされています。一方で、まつりや行事は地域住民の結束を高めるものであるとともに、地域外の人々との交流の機会を生み出すものでもあり、毎年のように市外から訪れる人もいます。宇和海沿岸部ならではの祭りは、荒々しくも人を引き付けてやみません。
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更新日:2024年08月20日