西予市の暮らしを時代、地域別に紹介-縄文時代の明浜、三瓶編
西予市を海(明浜、三瓶)・里(宇和)・山(野村、城川)の3つに分けて、各時代の暮らしを紹介します。
宇和海は、黒潮から暖かく清らかな潮流と栄養豊富な潮流が流れ込む豊かな漁場です。明浜歴史民俗資料館に展示されている縄文時代の釣針は、日振島で採集されたもので、当地の縄文人が宇和海で魚を捕っていたことを示しています。長さ3.4cm、幅3.2cm、厚さ0.5cm で、素材はシカの角です。軸部には糸を掛けるための加工があり、針先は湾曲させています。
シカの角を使っているということは、山で狩りをしていたということです。三瓶からは石の矢じり(石鏃)が見つかっていて、シカやイノシシ、ウサギなどを捕っていたようです。山の幸であるドングリなども採集し調理していたことでしょう。
三瓶で採集された石鏃には、大分県の姫島に産出する黒曜石という乳白色の石から作られたものがあります。黒曜石は南予に広く分布しており、南予と今の大分県の間に交流があったことがわかります。当時の人々が黒曜石を求め、舟に乗り宇和海を渡っていたのかもしれません。
このように、西予市の海岸部にいた縄文人たちは、海で魚を釣り、山で木の実を集め、イノシシやシカを狩るなど、自然をよりどころとした生活を送っていました。狩りの道具の素材を求めて、舟で海を渡り九州の人たちと交流していたとも考えられています。
(広報せいよ2021年1月号より)
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更新日:2021年02月15日