県指定 笠置峠古墳

更新日:2022年06月10日


よ み:かさぎとうげこふん

所在地:西予市宇和町岩木ほか

所有者:西予市宇和町財産区ほか

指定年月日:令和4年2月15日


 

笠置峠古墳は、古墳時代前期古相の前方後円墳である。1997(平成9)年から2008(平成16)年まで、宇和町教育委員会(現西予市教育委員会)と愛媛大学考古学研究室による8次にわたる発掘調査が行われた。その結果、しゃもじ型と形容される平面形を呈し、東西に長軸を持つ全長47mの前方後円墳であること、後円部は二段築成で葺石を巡らせていること、後円部墳頂には中世墓などで攪乱されてはいたものの全長4.58m、幅0.61~0.81mを測る礫積みの竪穴式石槨が存在することなどが確認された。

出土遺物には、土器(直口壺、高坏、二重口縁壺、小型壺、小型甕、大型甕等)、食物形土製品、土師質土器、鉄器(剣(または槍)、袋状鉄斧、刀子、鉇、棒状鉄製品、方形鍬鋤先、鎌)、石器(石杵、敲石、打製石鏃)、銅銭(煕寧元宝、寛永通宝)があり、出土土器から古墳の時期は古墳時代前期古相(布留0~1式)だと考えられている。また、直口壺や高坏、食物形土製品から、竪穴式石槨(主体部)に被葬者が納棺され古墳が完成した後に、主体部上に飲食物を供える儀礼が執り行われたと考えられている。

西予市宇和町と八幡浜市との分水嶺、標高411mを越える丘陵上に立地し、平地との比高差は200mを測る。墳頂からは南に宇和盆地、北に八幡浜、西に佐田岬半島と宇和海を望み、天候に恵まれれば九州を望むことができる。また、宇和盆地と八幡浜をつなぐ笠置街道(国史跡・八幡浜街道笠置峠越/歴史の道100選)に近接する。こうした場所が意識的に選地されたものと考えられる。

宇和町では、遺跡を活かしたまちづくり「古代ロマンの里構想」が1996(平成8)年頃から表明されており、笠置峠古墳の発掘調査はその一環として行われた。2005(平成17)年3月刊の『古代ロマンの里整備活用基本計画書』では、笠置峠古墳は古代ロマンの里のランドマークと位置付けられ、古墳の整備や周辺遺跡とのネットワーク化、拠点施設の設置などが計画に盛り込まれた。2008(平成20)年には、竪穴式石槨の上方に複製が設置、展示され、墳丘全体は盛土で保護されたほか、見学に供するための園路が設けられるなどの整備が行われた。古墳周辺の草刈りや清掃、植栽植樹などの環境整備、古墳への誘導表示の設置などは、1996年に結成された笠置文化保存会が中心となって精力的に取り組んでいる。2018(平成30)年3月には、愛媛の遺跡利活用団体交流会という県内の遺跡の利活用に携わる団体の協力により、笠置峠古墳の葬送儀礼の復元実修が行われた。

なお、古墳へは麓から林道または旧街道を経て到達できますが、いずれも大半が未舗装であるため通行には十分ご注意ください(徒歩約50分、車約10分)。徒歩で訪問の際のお車の駐車場は、JR伊予石城駅前の敷地をご利用ください。

笠置峠古墳周辺マップ(PDFファイル:241KB)

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