県指定 泉貨居士の墓

更新日:2018年07月06日


よ み:せんかこじのはか

所在地:西予市野村町野村

所有者:個人

指定年月日:昭和24年9月17日


 

「泉貨」(仙貨)とは、宇和郡山間部の特産品であった泉貨紙 (仙貨紙、仙花紙)の製法を創案したという兵頭太郎右(左)衛門道正の号である。その墓は安楽寺の墓地南端にあり、墓碑の高さ95cmあまりである。

兵頭太郎右(左)衛門は戦国時代末期、宇和松葉城主であった西園寺公広に仕え、天正12(1584)年、25貫文の領地と兵頭姓を与えられたという。同15年主家滅亡後、彼は安楽寺近くに草庵を結び、隠せいして「泉貨」と号し、慶長2(1597)年に没した。

この間、彼は楮の皮を原料とし、「トロロ」というアオイ科の草根汁を混ぜて粘着力を強め、粗、精の漉き紙2枚を重ね合わせる独特の製紙法をあみ出した。この紙は、紙質が強じんでシミの害がつきにくいため、帳簿用紙、経本、折本などに重用されることになる。泉貨紙の生産はやがて宇和島藩の保護をうけて発展したが、文化年間(1804~1818年)になると藩専売制をしき利益を独占している。明治、大正時代には地場産業として盛えたが、洋紙の普及でその後衰微の道をたどっている。

(愛媛県教育委員会文化財保護課編1993『愛媛の文化財』愛媛県教育委員会より引用)

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