記録作成等の措置を講ずべき無形の文化財 泉貨紙

更新日:2024年01月19日


よ み:せんかし

所在地:愛媛県西予市野村町高瀬

保持者:菊地孝

選択年月日:昭和55年4月4日


 

竹製の()を木製の枠(ケタという)にのせ、繊維化された楮を掬って紙を作るのは手漉和紙の共通技法である。その枠が2等分され、粗い簀と細かい簀をのせて原料を掬い、一定の厚さになると重ね合わせる。すると双方の紙が密着してさらに強い紙となる。これが泉貨紙製法の特色である。

また、水路で導いた水で洗い、六勘を集中した手作業、肉眼による厳しい選別、天日による乾燥等々は、創始以来の技法の継承であり、泉貨紙の特性は、こうして生まれるのである。

明治時代末期には、同業組合を設立して旺盛であった紙漉農家も、需要の激減で廃業し、昭和43年(1968)には菊地定重1戸となった。現在は、定重の子・孝が受け継ぎ、親子とも現代の名工として表彰された。

(愛媛県教育委員会文化財保護課編1993『愛媛の文化財』愛媛県教育委員会より引用、一部改・加筆)

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