記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財 伊予の茶堂の習俗

更新日:2024年01月19日


よ み:いよのちゃどうのしゅうぞく

所在地:愛媛県

選択年月日:昭和53年3月25日


 

西予市城川町を中心に隣接の山間集落に、茶堂と呼ばれる簡素な小堂がある。特に城川町内には、およそ小字単位に総数52の茶堂がある。

建築の由来は明らかでないが、茅葺、ほとんどが1間四方の宝形造(ほうぎょうづくり)、丸柱または角柱で支え、三方を開放し、床は地上45センチメートルに板を張った建物である。

正面奥に棚を造り弘法大師像・庚申(こうしん)像、観音像・地蔵尊像等の石造が安置され、巡礼講・大師講・庚申講・組施餓鬼・虫送り念仏などの宗教的行事が行われ、四国遍路や通行人にお茶を接待(茶堂の名の由縁)するなど、信仰の場所であった。また、酒宴を開き、村人の懇親の場にもなっていた。

この茶堂を舞台に行われる習俗を「由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示す典型的なもの」として、城川町文化財保護協会によって記録作成が行われた。

現在、西予市内には170棟を超える茶堂があるとされ、うち茅葺き茶堂は14棟となっている。

(愛媛県教育委員会文化財保護課編1993『愛媛の文化財』愛媛県教育委員会より引用、一部改・加筆)

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