国指定 旧開明学校校舎

更新日:2018年07月06日


よみ:きゅうかいめいがっこうこうしゃ

所在地:愛媛県西予市宇和町卯之町三丁目109番地

所有者:西予市

指定年月日:平成9年5月29日


 

明治5年(1872)11月、学制改革により開明学校が発足。その校舎は、当初坪ヶ谷(つぼがたに)にあった藩の郷校・申義堂(市指定)の建物が利用された。同12年の教育令発布以後、各地に次々と新しい学校が建てられるようになり、開明学校は同14年(1881)新築にとりかかり、翌15年(1882)2月起工、同16年(1883)1月落成式が挙行された。

(けた)(ゆき)(建物の棟に平行な方向の長さ)19.7m、(はり)(ゆき)(建物の棟と直角方向の長さ)8.73mの総二階建てで、内部はそれぞれ3室に区切り、1階だけが外側に(ひさし)を設け廊下を取っている。2階へは校舎右手の外階段を上がるが、手前の教室を通り抜けない限り奧の教室に入れないという奇妙な平面計画になっていた。

この建物を使って、当初は8階級、4学級の授業が行われていた。外壁は漆喰大壁、屋根は寄棟(よせむね)(さん)(かわら)()きで、半間おきに片引きのガラス窓を付け、1階は4箇所にガラス入りの両開き扉を設けている。庇の入口にあたる所には、(から)破風(はふ)付きの玄関を設けるなど、和風を主体とした意匠だが、1、2階とも窓の上部をア-チ型にし、洋風としています。ア-チ型ガラス窓や板張りの床を持つこの校舎は、流行の先端を行く建築物として受けとめられ、各地から多くの見学者が訪れたと伝えられている。

以後、同20年(1887)に卯之町尋常小学校、同23年(1890)に宇和町尋常小学校、同26年(1893)には宇和町尋常高等小学校と名前を変え、大正3年まで授業が行われた。現在では、明治以降の教育資料を収蔵展示する資料館として保存活用されている。昭和60年2月15日、愛媛県指定有形文化財に指定。同62年10月6日には、長野県松本市の旧開智学校と姉妹館提携について締結。現在も両市の中学生の交流が続けられている。また、教室を利用した明治の授業体験などにも活用されている。

(西予市教育員会編2008『西予市の文化財』西予市教育委員会より引用、一部改・加筆)

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