市指定 船渡の森三島神社本殿
よ み:ふなとのもりみしまじんじゃほんでん
所在地:西予市野村町惣川三島
所有者:三島神社
指定年月日:昭和43年10月30日
惣川の三島神社の由来ははっきりしない。現存の社殿は棟札によると、天和元年(1681)の建立であり、大工は宇和島の住人三浦勘兵衛である。
この建物は梁行二間に向背を付けた南予に多い近世流造の形式をほぼ完成させている。すなわち、妻は二重虹梁太瓶束とし、頭貫の上に中備の蛙股を配する。しかし、江戸中期以後の流造の社殿に見られる隅の枠肘木の側向肘木を一手延ばし、捨斗を加えて桁を支える方法や、二重虹梁間の蟇股は未だ用いられていない。柱頭にいずれも木鼻を加え、上に拳鼻付き平三斗を置く型式は定型化したものである。
向拝の構成も頭貫を虹梁形に作り出し、枠肘木を置いて側の海老虹梁と手挟を支える手法も定型化したものである。しかし、細部の技法や絵様などは中期以降のものに較べてすっきりした構成になっており、建立年次が明確なところから、南予地方の近世神社建築の変遷を知る上で重視する必要があるだろう。
(愛媛県教育委員会1990『愛媛県の近世社寺建築 近世社寺建築緊急調査報告書』愛媛県教育員会より引用)
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更新日:2018年07月06日