市指定 馬頭観音

更新日:2018年07月06日


よ み:ばとうかんのん

所在地:明浜町俵津

所有者:俵津財産区

指定年月日:昭和62年10月7日


 

旧俵津野田線の頂上に近い道の東側に15mほどのチャートの岩場があり、下部の岩陰に像が2基祀られている。この場所の前は傾斜が緩やかで一定の広さがあり、休憩場所としても利用されていたのかもしれない。道幅は3~4mと広く、下方には大きな礫による石積みが施されている。『明浜町誌』にいう「馬みち」に該当する。

岩陰に向かって左側が石造馬頭観音菩薩像で、舟形に半肉彫りと一部線刻で表現されている。総高60センチメートル、像高29センチメートルを測る砂岩製で、3面8臂の像容を呈する。隣には石造大日如来坐像が安置される。こちらは総高66センチメートル、像高29.5センチメートルを測る。いずれも刻銘から野田、俵津の寄進によるもので制作年は不明だが、俵津庄屋に残された文書から嘉永7年(1854)に建立されたとのことである。

馬頭観音は馬を、大日如来は牛を守護する仏として信仰された。当初の位置から動かされたと思われるが、俵津隧道の伊賀上側近くの岩陰にも馬頭観音と大日如来がセットで祀られているほか、八幡浜街道笠置峠越(国史跡)周辺だけでも3、4カ所に祀られている。茶堂に安置されるケースもある。近世における交通路と交通に欠かせない牛馬の安全を祈る信仰の様子を伝える資料である。

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