市指定 松渓経塚

更新日:2024年03月12日

松渓経塚近景 北東から撮影

よ み:まつたにきょうづか

所在地:野村町松渓

所有者:個人

指定年月日:昭和48年7月3日


 

標高300mほどの山腹に立地する経塚。経塚とは、経典を土中に埋葬した施設で、一般的には経典を経筒に入れてこれを外容器に入れ、土坑などに納めその上を石や土で覆う。11世紀前半頃から見られる。

昭和32年(1957)4月20日、原井川朝則氏が木材搬出作業中に山肌が崩れ発見した。「徳治三年」(1308)の紀年銘のある銅製経筒2口、外容器の破片、土師器、古銭などが出土し、経筒内からは経文47巻が発見された。その際、大小2基の五輪塔が発見されている。経文は法華経6部を写したもので、3部ずつ経筒に納められていたと思われるが、一部は発見後に散逸した可能性が高い。遺物は現在、奈良国立博物館に保管されている。

松渓経塚は、死者の冥福を祈って供養するために営まれたもので、この地域における経塚造営の背景や信仰を知る上で重要な遺跡である。

(参考:三宅敏之1972「愛媛県松渓経塚について」『MUSEUM』No251、東京国立博物館)

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