市指定 明間のカヤ

更新日:2024年12月09日


よ み:あかんまのかや

所在地:宇和町明間

所有者:個人

指定年月日:令和6年11月26日


 

カヤ(榧)はイチイ科カヤ属の常緑針葉樹で、本州、四国、九州、屋久島、朝鮮半島の暖帯林、山地に分布する。果実は食用となり、材は碁盤や将棋盤に用いられる。

明間のカヤは、西予市宇和町明間の板ケ谷に所在する。西予市と宇和島市との境界をなし、高森山(標高635.0m)から歯長峠を経て東に延びる標高530m~890m級の山塊から北に派生する丘陵の間を南流する板が谷川の左岸、標高約275.5mの緩斜面に立地する。

かつては、この板ヶ谷から現在の宇和島市三間町に至る峠道があり、藩主の接待所として板ヶ谷庄屋宅が利用されていたという話がのこる。宇和島の宇和水力電気KKが渓筋(現西予市野村町)の発電所を買収し、その送電線が板ヶ谷を通ることとなり、明治45年(1912)の卯之町・鬼窪の次に宇和で電燈が点いたのは、大正7年(1918)の板ヶ谷であった。この電気導入運動の先頭に立ったのはかつての庄屋であった。カヤの下には龍の留池と言われる池があったといい、旧庄屋家には龍の伝説が伝わる。

明間のカヤは、高さ約21.5m、胸高幹周り404cm、枝張り約25mを測る。県内の市町指定文化財と比較しても、幹周り、樹高とも十分な大きさを有している。幹は直立し、樹冠は幅の広い円錐形を呈し樹勢も旺盛で、樹皮の欠損等もなく健全に生育している。

カヤの眼前を西流し板が谷川と合流する小河川は、平成30年豪雨で両岸に被害を生じ、カヤの根元付近も洗堀を受けたとのことであったが、その後の復旧工事による根系に対する障害等は確認されておらず、健全な状態が保たれている。

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