市指定 小原の五つ鹿踊り

更新日:2018年07月06日


よ み:おばらのいつしかおどり

所在地:宇和町小原

保持団体:小原五つ鹿踊り保存会

指定年月日:平成25年7月29日


 

南予地方の鹿踊りは、17世紀半ばには宇和島で始まったのではないかと想定されており、18世紀半ばには宇和島から藩領内へ伝播している。藩領内への電波については、小原村の庄屋・清家家の日記の宝暦5年(1755)の記事が初見である(「一、九月、御神事ねり車相止、鹿舞初ル、頭取長右衛門、御城下ヘ参、相ならい申、頭ハ信濃いたし候」)。つまり小原村では、宇和島城下にて習い、宝暦5年にねり車の代替として始まったことがうかがえ、その呼称は鹿舞(シシマイか?)とされる。

戦時中一時中断していたが、終戦後復活。昭和21年から秋祭りの練り役に参加している。西予市宇和町内には、小原以外に坂戸、西山田、皆田、新城の各地区に五つ鹿踊りがあり、新城は皆田から習ったという。また西予市明浜町へは、天保年間(1830~43)に高山地区が皆田地区から習い、本家の小原へも習いに行ったと言われているという。西予市三瓶町は、安政6年(1859)に小原へ習いに行ったという記録がある。

近年は、毎年10月の第2または第3日曜日の地区の秋祭りで奉納され(戦前は10月18日、最近まで10月10日)、小原の十二所神社から渡御の練り役として参加。午後には岩木集落の三瓶神社の祭礼に練り役として参加する。(おん)鹿(じし)(踊り手4人)と(めん)鹿(じし)(踊り手1人)からなり、これに啓吾2名が付く。踊り歌は十五番まであり、古い節調をよく残している。

南予地域でも早くに宇和島から伝わったことが史料の上からも明らかで、鹿踊りの形態、宇和島藩における鹿踊りの伝播などを考える上でも重要である。

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