市指定 中広銅矛(祇園神社)

更新日:2018年07月06日


よ み:ちゅうびろどうほこ

所在地:宇和歴史民俗資料館

所有者:祇園神社(杢所)

指定年月日:昭和30年12月16日


 

弥生時代の武器形青銅器といえば、銅矛、銅戈、銅剣が代表的なものとしてあげられる。このうち銅矛は、本来柄を装着し相手を突く武器であったが、日本に伝わると、細形→中細→中広形→広形と徐々に大形化して祭器化したと考えられている。生産地は北部九州でこの地を中心に西日本に広く分布する。中広段階には、北部九州-豊前・豊後-四国西南部と広がる。

宇和盆地は九州と西四国をつなぐ拠点として重視されていたと思われる。現に宇和盆地からは九州豊後系の土器が数多く出土するなど九州と南予を繋ぐルートが確立していたことが伺える。伊方町出土の中細形銅矛をはじめとする当地の銅矛もこうしたルートを介して伝わった。宇和盆地では、江戸期の記録などから40数本を越える銅矛が出土したと解釈する向きもあるが、本品や久枝大窪台出土の広形銅矛など、5例の出土は間違いないと思われる。

写真は、宇和町杢所出土と伝わる中広形銅矛で、全長約80.8センチメートルを測る。

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