市指定 石斧(宇和歴史民俗資料館)

更新日:2018年10月25日

市指定 石斧

よ み:せきふ

所在地:宇和歴史民俗資料館

所有者:西予市

指定年月日:昭和30年12月16日


 

左より柱状片刃石斧(坂戸出土)、太形蛤刃石斧(郷内出土)、部分磨製両刃石斧(清沢出土)。

 左の2点は、弥生時代の磨製石斧類である。柱状片刃石斧は、長さ20cm、幅3.7cm、厚さ3.8cmの完形品で、大陸系磨製石器に含まれる。大陸系磨製石器とは、弥生時代の開始期に朝鮮半島南部から水稲農耕とともに伝わった石器群のことである。最初に受容したのは北部九州で、本地域には東北部九州を経由して伝わったと思われる。

また、太形蛤刃石斧は弥生時代に発達した石斧で、残存長15.6cm、幅8cm、厚さ4.4cmを測る。縄文時代の石斧より大きさ、厚さ、重量が増加する。使用法は、太形蛤刃石斧は直柄(なおえ)に装着されて木の伐採や粗割りに、柱状片刃石斧は膝柄(ひざえ)に装着されて伐採された木材を加工し、木器を製作するために用いられたと考えられる。これらの石斧は、本地域の弥生時代に木器の製作が行なわれた証拠であるとともに、北部九州との間接的交流を示す資料として重要である。

右の1点は縄文時代の部分磨製石斧と思われるが、詳細な時期や使用法は判然としない。長さ20cm、幅5.5cm、厚さ2cmの短冊形で、基部と刃部を中心に粗く研磨されている。

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