市指定 中広銅矛
よ み:ちゅうびろどうほこ
所在地:野村町四郎谷
所有者:個人
指定年月日:昭和51年2月25日
大正元年(1912)11月、渓筋の平茂治郎氏が四郎ヶ谷ニノシリで開墾中に地下1.5~1.8mの深さから発見したものである。全長約77センチメートルをはかる中広銅矛である。出土地点は肱川の支流稲生川左岸、野村ダム赤橋より約500m北上したところである。標高は約230m。
西南四国地域の銅矛の出土立地は、中広段階は多様だが、広形段階では、宇和盆地では久枝大窪台例のように平野部から見上げる丘陵頂部からやや下がった地点から出土する(高山剛2004「西南四国の武器形青銅器-特に銅矛の埋納立地について-」『西南四国-九州間の交流に関する考古学的研究』)。これは九州豊後とも似たあり方だが(下條信行2004「豊後の銅矛埋納の出土立地」前掲)、土佐窪川に入ると低地からの出土が多くなり、出土地の立地に地域性が見られることがわかる。
本例は中広段階のもので、河川まで数mの低地から出土している。周囲は狭小な谷間でまとまった集落や耕地が営まれたとは考えにくい場所で、やや特殊な出土立地であるといえる。
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更新日:2018年07月06日