県指定・阿弥陀如来坐像の保存修理が完成しました。
極楽寺(宇和町小野田)にある県指定文化財の木造阿弥陀如来坐像の2年間にわたる修理が完了しました。
修理前は部材の接合部の緩みや木材の傷みが激しく、動かすことも難しい状態でした。
しかし、今回の平成・令和の修理で直すことができました。
仏像は鎌倉時代のものですが、江戸時代の修理のときに別の色が塗り重ねられました。
今回の修繕で、江戸時代の彩色は丁寧に除去され、本来の木肌と部分的に残っている黒い漆箔やわずかに残る金箔が見えるようになるなど、像の姿は一新されました。
蓮の花をかたどった蓮花座やお釈迦様の知恵や徳の大きさを光になぞらえて表現した光背も鎌倉時代当初のもので、丁寧に修理されています。
蓮花座の中からは、寛永通宝を含むさい銭が見つかっています。
堂内に残る棟札には延宝6年(1676 年)に阿弥陀仏を再興したという記述があります。
記載されている阿弥陀仏が今回修理した阿弥陀如来像であれば、およそ340年ぶりの修理ということになります。
住民や専門家、行政など多くの人の力を結集して地域の宝を200 年、300 年先の未来に引き継ぐ事業が成し遂げられたことの意義は小さくありません。
なお、この修理事業は、愛媛県、西予市からの補助のほか、公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団の助成を受けて実施しています。
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更新日:2020年06月03日