平安時代の阿弥陀仏が修理へ
西予市三瓶町の地福寺のご本尊である木造阿弥陀如来坐像(市指定)が、このほど保存修理のため、お寺を出られました。
等身大の阿弥陀如来坐像で、典型的な定朝様(じょうちょうよう)を示す作品として知られます。
定朝様とは、11世紀前半を中心に作品を残す仏師・定朝が完成させた様式のことです。
ちなみに定朝の代表作には、平等院鳳凰堂の国宝・阿弥陀如来坐像があります。
地福寺像は、12世紀前半頃(平安時代)の作で、中央の仏師の手によるものと考えられています。
昭和38年に旧三瓶町の文化財に指定された当時から、脚部の損傷が指摘されていました。
調べてみると、頭部も矧ぎ目がゆるんでいたり、後世の修理で補われた部材がうまく合わなかったり、あるいは失われた部材があるなどしています。
今回、関係者のご尽力により、修理の運びとなりました。
当初は4月に搬出する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていました。
このほど、修理を委託された公益財団法人美術院の職員が、阿弥陀仏を厨子から出し、丁寧に梱包。
運搬専用の車に積み込み、移送されました。修理の完成は、来年3月を予定しています。
阿弥陀如来は、48の誓願を立てて修行し、悟りを開いたたいへんえらい仏様です。
お戻りになったあかつきには、阿弥陀様の力で新型コロナウイルスを吹き飛ばしていただきたいものです。
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更新日:2020年10月08日