【段畑】石垣

更新日:2025年12月16日

石垣

狩浜の段畑景観を構成している石垣は、この地域の生活を支える最も重要な産業基盤とも言えるでしょう。

これらの石垣は江戸時代から営々と築かれ、昭和30(1955)年前後にはひととおりの造成は終わっていたことが保存調査を通してわかっています。

最も造成が進んだのは明治20年代頃で、当時は養蚕業が盛んに行われており、良質な絹糸を作るには、良質な桑の葉を蚕に与える必要がありました。良質な桑を育てるためには高価な肥料が必要であり、貴重な肥料が流れ落ちないよう、法面に石垣を築くことで、水平で水はけのよい耕地を確保していきました。

これほどの石垣が築かれたのは、畑を拓く際に大量の石を取り除かないといけないという狩浜の土地事情にも起因しています。この辺りはいたるところに岩盤が露出しており、石を簡単に調達することができました。多数の石取場があるため、移動距離も少なくて済み、石を上から運び下ろすことができたという環境も石垣造りを進めました。

石灰岩が露出している土地も多いことから、石垣の色が灰白色であることも狩浜らしい景観の特徴の一つと言えます。

参考文献

『西予市文化的景観調査報告書』(西予市教育委員会/2018)p.200、p.208~229

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