【集落】桑納屋
最盛期の養蚕農家の屋敷構えを伝える重要な建物です。
木造中二階建切妻造桟瓦葺の桑貯蔵専用の納屋で、市道沿いに東面して建っています。
養蚕最盛期であった大正期において、大規模な生産を行う養蚕農家は主屋床下のクワツボでは不足するため、こうした桑納屋が多く建てられました。垂木はあらわし(注1)で、壁は大壁(注2)の漆喰塗り仕上げです。室温を一定に保つため、開口部は小さく取られています。狩浜に現存する桑納屋はわずか2棟のみで、特に山下家の桑納屋は当時の構法をよく残しています。
明治期の技術書によると、桑の貯蔵には土蔵の造りが適するとされており(注3)、貴重な実例といえます。
参考 『西予市文化的景観調査成果報告書』(西予市教育委員会,2018)p.71
(注1)垂木現し(あらわし)…屋根を支える構造材(=垂木)が見える状態。一般的に、土蔵の軒先は防火・耐火のため漆喰で覆い隠されることが多い。
(注2)大壁…柱や梁などの構造材を覆い隠すフラットな壁
(注3)森善太郎『通俗図解養蚕問答』(角田活版社,1890)
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更新日:2026年01月13日