【集落】長屋門

更新日:2026年01月19日

枝浦の東寄り、門之脇地区の旧組頭宅であった兵頭家には、木造中二階建、切妻造桟瓦葺の長屋門が残っています。敷地南側正面に長屋門、背後に主屋、西側に蔵を配しており、旧村役人宅の屋敷構えを伝える点で重要な建物です。長屋門西側は隠居として使用されていました。

平成27~29年度の調査によると、明治期から戦前にかけては、建物が敷地を取り囲むように敷地境界沿いに並ぶ屋敷構えが多かったことがわかっています。主屋は敷地北寄りに南面して建ち、敷地入口から敷地を通って主屋に出入りするものがほとんどでした。

狩浜地区全体としては、屋敷境に垣や門などを設けないことが多かったと見られますが、一部こうした長屋門や、接近した建物間を屋根で繋いだ門(注1)が見られます。長屋門は旧村役人宅に限られ、狩浜に現存するのは兵頭家の長屋門を含め、2棟のみです。

ほか、納屋などに門型の出入口を設けた事例(注2)も見られます。こうした門型の建物は、同じ明浜町の高山や田之浜、佐田岬半島など周辺の高密な漁村や農漁村に多く見られます。狩浜においても、古写真などで現存建物以外の事例も確認されたことから、敷地めいっぱいに建物を配置するため、こうした入口形式が一部で採用されていたのでしょう。

また、兵頭家の長屋門西側外壁には、和船に使われていた舟板が転用されています。

船底は腐らないよう定期的に炙るなどの処理を行いますが、船は10年ごとに新調されるため、古材となった舟板は主屋や蔵などの外壁に再利用されていました(注3)。

「昔は舟板を使っていることが恥ずかしかった」との声もありますが、現在では狩浜の生業の歴史を伝える貴重な遺構として再評価されています。

 

参考 『西予市文化的景観調査成果報告書』(西予市教育委員会,2018)p.52~53、p.60~61、p.77

 

長屋門平面図
兵頭家長屋門外観

兵頭家の長屋門外観

写真手前側の外壁には舟板が転用されている

接近した建物間を利用した門

(注1)接近した建物間を利用した門

門型の出入口

(注2)納屋に門型の出入口

舟板

(注3)舟板が使われた外壁

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