シラス桟橋

更新日:2026年01月23日

門之脇地区で漁業を営む、株式会社 網元 祇園丸さんの近くにある桟橋です。

狩浜では近世以来イワシ漁が主流でしたが、昭和30年代以降は稚魚のシラス漁に転換し、現在に至るまで盛んにシラス漁が行われています。海で揚がったシラスは鮮度が命であり、漁船は全速力でこの桟橋に戻ってきます。

シラス桟橋

 

宇和海の海況

狩浜地区が面する宇和海は豊後水道の一部に位置します。豊後水道は太平洋に直接面しているため、宇和海は太平洋の影響を大きく受けます。

太平洋を流れる黒潮からは、突然の速い潮(急潮)が夏場を中心に流入しています。この急潮によって暖かい海水が宇和海にもたらされ、そこにすむ生物を多様なものにしています。また、急潮は「澄潮(すみしお)」とも呼ばれ、海水の入れ替わりによって魚類養殖により生じる残餌や排泄物を流し去る役割も担っています。

一方で、真珠養殖には餌となるプランクトンのために栄養塩類が必要です。それは、豊後水道南部から流入する栄養豊富な底層水の流れ(底入り潮)からもたらされています。

さらに、この辺りは複雑に入り組んだ入り江をもつリアス式の海岸であることから、波が低く、水深が深いため、港としても使われるとともに、沿岸漁業や養殖にも適しています。

このように、宇和海は水温の高い黒潮の影響を受け、生物多様性に富み、清冽でありながら栄養が豊富であり、魚類養殖、真珠養殖を効率的に行うことのできる、極めて恵まれた海域であるといえます。

こうした宇和海の海域条件から、狩浜ではカタクチイワシ漁が盛んでしたが、1960年代には漁獲量が大きく減少し、現在ではシラス漁が盛んに行われ、沿岸では真珠養殖や魚類養殖が行われています。

 

参考 『西予市文化的景観調査成果報告書』(西予市教育委員会,2018)p.21

急潮の概念図

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