【報告】市民の声 市立病院等改革における指定管理者制度の導入

更新日:2024年03月27日

意見の内容

(1)公立病院医療提供体制確保支援事業の申請に至るまでの議事録はあるのでしょうか、またホームページ上での公開をしていただきたい。

(2)平成29年(2017年)の「西予市立病院・2025年に向けたビジョン」策定以降、人口推移は予測どおりであり、策定当時から医療従事者不足を認識されており、急激に状況が悪化したわけではないことを示している。その方向性として「4年後を目標に公営企業法全部適用により効率的な運用を目指すこととします。」と謳っいるにもかかわらず、市は突然指定管理に向けての事業の申請をされた。
「2025年に向けたビジョン」を策定した2017年から指定管理に向けての事業を申請する2023年2月10日までの期間、市は“経営形態の在り方”についてどのような検討を重ねられたのでしょうか?

(3)市長と話をさせていただく機会があり、その中で全部適用を検討する話し合いや会議は持たれていない旨の答えをいただきました。
市が進めようとしている病院、施設の指定管理を実現するには、正職員、会計年度職員合わせて340人以上の職員を整理解雇する必要があり、その要件の一に解雇を回避するための努力が求められています。全部適用に向かっての話し合いの場ををもっていないということは職員の解雇を回避するための努力をされていないということになるのではないか。西予市は職員の解雇を回避するために、手を尽くされたのでしょうか。

(4)平成30年7月の豪雨災害時に、宇和野村間の主要道路が寸断され、両市立病院は二次救急受け入れ体制をとり、医療救護活動を行った。近い将来に南海トラフ地震が発生した場合、西予市にも甚大な被害をもたらすと考えられる中、少なくとも現在と同程度の機能や規模(病床数)が野村病院には必要ではないかと感じるが、
行政はどのように考えているのでしょうか?

(5)指定管理者制度への目的の一つに「医療従事者の確保」とあるが、現在はこの改革により、数名の退職者、多くの退職者予備軍を生んでいます。今の段階でも失ったものは大きく、このまま改革を進めると2次救急一元化を含め、地域医療の質、存続が危ぶまれる事態を加速させることになるのではないでしょうか?そうまでしてこの改革を推し進めることで、失ったものを補って余りあるものが本当にあるのでしょうか?

(6)住民説明会では「指定管理料は、A案、B案の2つの提案それぞれに係る人数が分からないので今の段階でははっきりしていない。」との答えでしたが、A、B両案とも現在の職員を整理解雇し、協会の職員とするならば、各施設への人数配分は変わっても総人数は同じなのではないでしょうか?
各施設の人員の割りふり、機能や規模を決めていくことをあわせて考慮し、その上で案が提出されるのではないでしょうか?
もしそれでもわからないというのであれば、先行事例である和歌山県有田市立病院の場合はどれくらいの委託料なのでしょうか?

(7)指定管理後にも一般会計からの繰り出しを3億5千万円程度にとどめたいとの説明をされていますが、
建物や医療機器の費用である減価償却費の支払いや、野村病院やつくし苑は、老朽化により大型改修の費用など、市は今後も毎年何億というお金を払い続けることになると理解されます。
医業等に関わる収益も入ってこないため、市の負担は、3施設の減価償却費、協会への指定管理委託料、現給保証の不足分となると考えられ、一般会計からの繰り出しはむしろ増えるのではないかなど懸念があります。試算やシュミレーションがあれば公表していただきたいです。

(8)昨年10、11月に開催された市政懇談会ではケーブルテレビが入っており、自分が参加していない各地域での懇談会の様子や色々な意見を聞くことができました。
また行政の説明を聞くにあたっても書面で知らされるよりもわかりやすいと思いました。
物事を周知すること、説明を理解してもらう事、他人の考えを聞くことにおいて、ケーブルテレビはとても有効な手段であり、今回の西予市住民全員に関わる地域医療の在り方が問われる住民説明会(令和6年の1,2月に開催)があったにもかかわらず、ケーブルテレビが入らなかったのでしょうか?
行政はケーブルテレビの有用性を認めておられないのでしょうか?

性別:男性
年代:50代
公開日:令和6年3月27日

意見に対する答え

(1)公立病院医療提供体制確保支援事業は、へき地等に所在する中小規模の公立病院に対して、病床機能の転換や医師確保等による診療体制の確立に向けた計画策定等に関して、経営改善の助言又は経営面及び診療面双方の支援を行う事業であり、行政では通常、国への事業申請を行う際の内部協議に関しては議事録を作成するような規定にはなっていないため、議事録は作成しておりません。

(2)近年の病院改革では市民病院への二次救急集約を最優先に協議、検討を進めていますが、現段階では実現できておりません。
その一方で、人口減少や新型コロナウイルス感染拡大の影響により、入院・外来の患者数の減少が進み、経営状況の悪化が顕著になり、その対応として、病棟の閉鎖や病床数の削減にも取り組みましたが、状況は厳しくなり続けています。
加えて、医療従事者の確保もさらに厳しく、現状の経営形態では限界があることから、抜本的な経営改善の取組みを検討する中で、その手法としての指定管理者制度の導入可否について、公立病院医療提供体制確保支援事業の採択を受け、調査・研究を進めることとしたものです。

(3)市としては、現状の公営企業法の一部適用はもとより、全部適用であっても経営及び運営体制の改善は難しいと判断しており、指定管理者制度の導入が病院改革の最善の方法と認識し、これまで説明を行ってきました。
指定管理者制度への移行後において、市立病院・つくし苑を維持するためには、職員の皆さんには残っていただく必要があり、解雇を回避するための取り組みというよりも、指定管理移行後も引き続き市立病院・つくし苑に勤務してもらえるよう、移行後の処遇について可能な限りの配慮をしたいと考えております。

(4)将来的な野村病院の機能や規模の維持については、必要な医療従事者の確保が困難であるため、機能及び規模の見直しは必要と考えています。
大規模災害の発生時においては、今般の能登半島地震のように一時的には全国から医療チームの派遣により対応することになり、一定期間後は、市内の医療資源で対応しなければなりませんので、市内の医療機関、福祉団体等とも連携し、大規模災害に対応できる体制を構築していきたいと考えています。

(5)今回の医療福祉改革を理由に職員が退職したことに関しては、非常に残念だと思っております。しかし、医療従事者の高齢化も進む中、医療従事者の確保、特に若手職員の確保は急務で、現状での施設の運営では職員の業務負担が増え、さらなる職員の退職につながる悪循環を生み、3施設とも運営できない状況になることを懸念しております。
市としては、改革を行わなければ、将来的に3施設を維持させることは困難であり、改革を止めるほうが、近い将来、医療福祉の崩壊を招く可能性が高いと判断しております。

(6)職員の人数につきましては、公務員としての立場を希望される職員等、諸事情により退職する職員もおり、総人数は同じになることはありません。そのことから職種によっては人数が足りないという状況も出てきて、人数が不透明な中での案を提示することは、、不信感を生むのではないかと考えております。
有田市立病院は、令和4年度の年間入院患者数36,500人、年間外来患者数63,440人の病院で、2億5千万程度と聞いています。
比較として、西予市民病院は、令和4年度の年間入院患者数24,133人、年間外来患者数43,562人、野村病院は、年間入院患者数15,506人、年間外来患者数38,411人となっております。
指定管理料は入院、外来患者数で決まるわけではなく、質問にあるように病院の状況や指定管理の条件によっても左右されるため、比較できるものではありません。

(7)一般財源で賄わなければならない繰出金が年々増加しており、さらなる負担の増加が懸念されています。指定管理者制度移行の理由の一つに経営改善による一般会計の負担軽減があり、これを実現できるよう指定管理候補者と協議を行うことになります。
医療機器、医薬材料、光熱水費等の社会情勢による物価高騰の影響や人口減少が進んだ場合の医業収支の関係での負担の増加などの可能性があります。
移行した職員への現給保障分の経費など、一時的には負担が増えるものと考えており、シミュレーションについては完成次第、広報せいよに掲載させていただく予定です。

(8)ケーブルテレビによる行政情報の発信・提供は、有効な手段であることは認識していますが、説明会等の会議について、そのすべてを放送できるものではありません。
一般的には各報道機関に主要な会議等の開催案内は出しており、各々の判断で取材や収録をされております。
先般の住民説明会については、すべての会場までケーブルテレビによる放送を依頼していたわけでなく、取材放送がなかった会場もありました。
今後については、報道機関の都合もありますが、できるだけ多くの市民の方に理解を得られるよう、ケーブルテレビを含め、取材協力を依頼したいと思います。
なお、今回の各会場での意見については、ホームページ等で会議録を公表いたします。

担当課:医療介護部 医療対策室

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