【報告】笠置峠古墳が県史跡に指定されました

更新日:2022年02月17日

このたび、笠置峠古墳が、愛媛県の文化財(史跡)に指定されました。

笠置峠古墳では、1997(平成9)年から2008(平成16)年まで、宇和町教育委員会(現西予市教育委員会)と愛媛大学考古学研究室により8次にわたる発掘調査が行われました。その結果、しゃもじ型と形容される平面形を呈し、東西に長軸を持つ全長47mの前方後円墳であること、後円部は二段築成で葺石を巡らせていること、後円部墳頂には中世墓などで攪乱されてはいたものの全長4.58m、幅0.61~0.81mを測る礫積みの竪穴式石槨が存在することなどが確認されました。

出土遺物には、土器(直口壺、高坏、二重口縁壺、小型壺、小型甕、大型甕等)、食物形土製品、土師質土器、鉄器(剣(または槍)、袋状鉄斧、刀子、鉇、棒状鉄製品、方形鍬鋤先、鎌)、石器(石杵、敲石、打製石鏃)、銅銭(煕寧元宝、寛永通宝)があり、出土土器から古墳の時期は古墳時代前期古相(布留0~1式)だと考えられています。また、直口壺や高坏、食物形土製品から、竪穴式石槨(主体部)に被葬者が納棺され古墳が完成した後に、主体部上に飲食物を供える儀礼が執り行われたと考えられています。

西予市宇和町と八幡浜市との分水嶺、標高411mを越える丘陵上に立地しており、平地との比高差は200mを測ります。墳頂からは南に宇和盆地、北に八幡浜、西に佐田岬半島と宇和海を、天候に恵まれれば九州を望むことができます。また、宇和盆地と八幡浜をつなぐ笠置街道(国史跡・八幡浜街道笠置峠越/歴史の道100選)に近接しており、この場所が意識的に選地されたものと考えられます。

なお、古墳へは麓から林道または旧街道(国史跡 八幡浜街道笠置峠越)を経ていくことができますが、いずれも大半が未舗装であるため通行には十分ご注意ください(徒歩約50分、車約10分)。

笠置峠古墳周辺地図(PDFファイル:237.1KB)

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